初恋の嵐を知っているか
留学・ワーホリ準備に進展がなく、今日も全然関係ないお話です。
今回は「今日の一曲」勝手に拡大版ということで、わたしが大好きなバンド、『初恋の嵐』についてお送りしようと思います。はあああ、好き!
デビューアルバム:『初恋に捧ぐ』
初恋の嵐っていうその一風変わった名前のバンドを知ったのは、バンドが10年ぶりに再始動した2012年のことで、彼らがその年のライジングサンに出演予定だってことを知って、世に出ていた唯一のアルバム『初恋に捧ぐ』を借りてきたのが始まりでした。
早速聴いてみたんだけどもうねー、心臓がばくばくして、涙がとまらなかった!雷に打たれたっていうと大袈裟かもしれないけど、それくらい衝撃的だったし、ああわたしはずっとずっと、この1枚のアルバムを何度もなんども聴いていくんだろうなってその時思った。
初恋の嵐は、「時間が止まったバンド」だった。ボーカルの西山さんは2002年、このデビューアルバム発売の直前に25歳の若さで亡くなった。25歳っておいおい、今のわたしと同じ歳じゃないかよー。捻くれていて、真っ直ぐで、憂いがあって、苦しくて、こんな心震える曲を作って歌った才能の人は、もう10年も前にずっと遠くに行ってしまっていたのでした。
8月、ライジングサンのボヘミアンガーデンで夜、心待ちにしていた初恋の嵐のライブを見ました。西山さんの代わりに、せっちゃん、曽我部恵一、堂島孝平くん、セカイイチの岩崎さん、フジファブリックの山内くんと、西山さんが生きてた時の初恋の嵐と一緒の時代を生きた、あるいは多分本当に本当に初恋を好きで好きで堪らないんだろうなっていうボーカリストたちが集まった。
2人目に出てきたセカイイチの岩崎さん(他のアーティストはそれぞれ聴いたことあったけどセカイイチだけは知らなかったから、なんかスナフキンみたいな知らない人でてきたーって思った)が歌った『Good-Bye』、これはダメだった。もう、みんなで居るのに涙が止まらない。「感動」っていうけど、本当に文字通り自分の感情が強く、激しく動かされているのを感じた。真剣に聴くあまりずっと棒立ちで、なぜかうんうん頷きながら、1秒も聴き漏らすまいと思って聴きました。好きな人、大好きな友達にも聴かせたいなあ、一緒に感動を分かち合いたいなあってずっと思いながら、大切に聴いた。
それから、たった1枚のアルバム『初恋に捧ぐ』を大事に大事に聴いて、Twitterでは初恋の嵐の話ばっかりして、それからも年何回か行われているライブには、はるみとも一緒に行くことができた。友達にCDをプレゼントしたこともある。
あーそうそう、スピッツが演奏する『初恋に捧ぐ』は、スピッツのカバー曲の中でも1番好き!アレンジもほとんどしてなくて、初恋の嵐バージョンをかなり忠実に大切にカバーしているんだけど、草野さんの声質なのか、オリジナルの瞬間を切り取った刹那的な感じに対して、もうちょっと広くて、なんとなく情景が目に浮かぶようなイメージ。
セカンドアルバム:『セカンド』
そんな「時が止まったバンド」、初恋の嵐がなんと13年ぶりに新しいアルバムを出した(1月のことで、もう結構前の話なんだけど。)。ああ、これだ、これだ、初恋だーーと、またずーっとこのアルバムばっかり聴いてます。ていうかApple Musicにあるの!聴いて!聴いてー!万人に聴いてほしい!
初恋の嵐 2nd Album 『セカンド』全曲試聴ティザー映像
今回は、西山さんが歌う5曲に加えて初恋オリジナルメンバーのドラムまーくん、ベースすみくん、いつもお馴染み堂島孝平、フジファブ山内くん、スクービーのコヤマくんの3人がそれぞれ1曲ずつボーカルをとって合計10曲が収録されています。なんと西山さんボーカルの5曲については学生時代に大学の教室(!)で録ったデモテープをもとにしているのだとか!ああ、初恋の新しい曲を、西山さんの声で聴ける日が来るなんて。嬉しい!嬉しいよおおお!ということで、ほんとに全曲いいんだけど、中でも好きな曲についてちょこっと書いてみます。
1曲目:どこでもドア
西山さんのボーカル。これこれ、この前奏といい、音楽的なことよくわからないけどこの歌詞の入りのとこの一拍のタメ、これぞ初恋だーーっていう1曲。1番好きかなあ。
君と出会うまでは プカプカ海を浮かんでたイカダみたく
ただただ日々を進めてた
(中略)
どこでもドアがどこにもなくて どうしようもなくて
それでも僕はそばにいるからそれ以上泣かないでおくれよ可愛い人よ
とても可愛い人よ
西山さんの歌詞って、その場の情景描写とかが一切なく、1曲まるまる主観というか、その瞬間の感情を切り取ったものが多いような気がするんだけど、この曲もそうで、聴いててなんか痛みを共有されているような感覚がある。
2曲目 :ジョイント
これも西山ボーカル。すごく短くてこれまた刹那的な曲。タイトルの「ジョイント」は何からきてるんだろう。『初恋に捧ぐ』と同時期に作った曲ということでなんだかちょっと「No Power!」とかにも似てるような気がします。わたし、こういうコロコロ踊るようなベース大好き。スピッツのルナルナとか、そんな感じ。
3曲目:だんだんわからなくなる
これはフジファブの山内くんが歌ってます。山内くんってこんな声だったっけ?結構力つよい感じ。わたしたちって初恋の嵐の曲を聴いてるとき、どうしたってバンドのストーリーというか、その悲劇性にも目を向けないではいられない。それはフィッシュマンズでもフジファブリックでも同じことで。初恋の嵐の曲を山内くんが歌うのを聴いて、嫌が応にもそういうことを考えてしまいました。(だけどこの『セカンド』を聴いて、そんなストーリーなんてもう吹っ飛んだんだけど。)フジファブ、『Music』までしか聴いてなくて、どうしても志村さんの曲、志村さんのボーカルっていうイメージしか浮かばなかったんだけど、ああそうだ、初恋の嵐に出会った2012年のライジング、オープニングアクトだったかどうか覚えてないんだけど、とにかくわたしたちが着いて1番最初に聴いたのがメインステージのフジファブリックだった。そのとき、新体制のフジファブ、すごく良くて。ああ、すすんでいるんだ、動いてるんだなあって思ったのを覚えています。
4曲目:カントリーホーム
これも西山さんボーカル。ピアノの指の練習みたいな前奏から入るこの曲は、タイトルの通りカントリーロック調でいてすっごく初恋らしい。すき!
クラレンス・ホワイトはどんな顔でギターを弾いてたんだろうな
悲しい音色の海 いつだって同じところに針落としては
駄目駄目駄目 もう至福のとき
西山さん、こういう音楽を聴いていたんだなあ、っていうのを知れて、ちょっと嬉しい。ちなみにクラレンス・ホワイトはこんな顔でギターを弾いてたよーー。凄いね、指どうなってるんだ。あー、また新しい世界を知ることができた、ってちょっとほっこり幸せな気持ちです。
7曲目:君さえ居れば
君さえいてくれればそれだけでいいと思える程
君が好きだよ ごめんね ちょっとしばらせてくれ
君が何処へも行かぬように
ごめんなさい この思い
このあと続くBメロでも「ごめん」と謝るのだけど、君が好きすぎて、辛くて、ごめん、なんかごめんねって、恋愛のすごいリアルな歌詞だなあって思います。このきりきりするような痛さ、切なさ、しんどさ、これぞ初恋の嵐だ。結局この曲も西山さんボーカル。そりゃそうだ、どうしたって西山さんが歌う初恋の嵐が大好きだ。
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そういうわけで、結局10曲中5曲も紹介してしまった。他も全部いい曲なので、時間があったら追記したいくらい。とにかく最高のアルバムだと思うので、全部聴いてほしいあまり、リンク貼りすぎてみにくくなっちゃった。視聴だけでもしてみてくれたら、おばちゃん嬉しいぞ!
本にしても、映画にしても、音楽にしても、もしかしたら人間関係とかにしても、好き嫌いとか関係なしに、ああ、わたしこういう風に生きていきたいんだなって思うような、寄りかかっていたくなるものって多分誰にでも必ずあって。わたしにとって初恋の嵐は、そういうものの一つなんだと思う。初恋の嵐、これからもずーっと、大事に大事に聴いていきます。
【公式サイト】初恋の嵐−official site